40年くらい前の話なんですけど・・・
いまでも、覚えていることがあるんです
当時は
新人の最初の仕事といえば
朝早く出社し、事務所の机を拭くことでしてね
最初のうちは
担当の指導の先輩から教わった通りに
雑巾掛けをしていたんですが・・・
ある日の昼食時間のことなんです
机の上に食べかけのサンドイッチを置いて
お客さんと電話をしている社員の姿を見たんですね
そして
ふと、思ったんです
「バッチィよな!」ってね
いやね
朝、雑巾掛けをして綺麗にした机とはいえ
その雑巾は、年季の入った灰色の雑巾ですからね
決して清潔とは言えませんので
サンドイッチを直に置いちゃアカンやろって
思ったわけです
そこで
翌日からは、銀行でもらったタオルを使って
拭くようにしたんですね
そしたら
担当の先輩から
「どうして勝手なことをするんだ
机は雑巾で拭けと言っただろ」って
みんなの前で、めちゃめちゃ怒られたんです
そのとき
怒っている先輩の顔を見ながら
「アホか、汚い雑巾で机を拭くことの意味を
ちゃんと考えたことってあんのかよ」って
ボンヤリと思っていたわけですが
でも
言い返すようなことはしませんでね
怒りの感情をグッと抑えて
「以後、気を付けます」と言ったんです
いま考えますと
そのときの私ってホンマに偉いって思います
いまの私なら、黙ってはいないでしょうからね
ちょっとしたバトルになっていたと思うんですが
若い頃の私は、大人しく引き下がったわけです
では
その後、どうしたか?
ちょっと気になりますでしょう?
そのまま引き下がるわけありませんからね
まず
黙って、汚かった雑巾を
全部、新しい景品のタオルに替えちゃったんです
そして
机を拭くタオルには「机用」って大きく書いて
専用にしてしまったんですね
もちろん勝手にです
そうしましたら
それまで
机の上をいくら拭いても
雑巾の跡がクッキリ残っていたんですけれど
それが無くなりましてね
本当に
気持ち良いくらい綺麗になったんです
これだったら
安心して食事も取れるなって思いましたら
溜飲が下がったんですね
実は
面白いことに
これには後日談があるんです
雑巾を綺麗なタオルに替えてまで
机を綺麗にしてくれた新人がいるって
女子社員の方から総務に話が入りましてね
ある日のことです
担当の先輩が、みんなの前で
社長から褒められるという事件が起こったんです
そのときの先輩のバツの悪そうな顔が
いまでも忘れられないんですよ
・・・ハハハ!