いま凄い勢いで雨が降り始めたもんで
雨が入るからと窓を全部閉めたんです
夏の間は
ずっとどこかしらの窓を開けていましたから
あまり気にしていなかったんですが
窓を閉め切りますと・・・
部屋の匂いや
洗濯物の匂い
獣たちの匂いが鼻に飛び込んでくるんですね
こんな匂いに囲まれていると
生きているんだなって改めて感じますね
そう言えば
そろそろ台風のシーズンですね
台風がやってきたときも窓を全部閉めきって
雨や風の音を聞きながらビクビクしていますけど
そのときも
いろんな匂いを嗅ぎながら
恐怖と戦っていますよね
台風のときは
不思議と雨の匂いを感じますもんね
もしかしたら
いま、どんな匂いを感じているのかということは
人の気持ちを表す信号なのかもしれませんね
それは
恐怖だったり
癒しだったり
怒りだったりするんでしょう
そう言えば
数十年前
会社の危機の中に身を置いていたとき
誰もいないオフィスで
妙に大きく聞こえるサーバーのファンの音と
エアコンの止まった埃っぽい空気の匂い
それと
うず高く積み上げられた書類の匂いを感じながら
これからどうしよう・・・って
深いため息をしていたことを覚えているんですが
台風のときの雨の匂いは
あの時を呼び起こさせるんですね
匂いというのは
忘れた筈の記憶を
呼び起こすスイッチみたいなところが
あるのかもしれませんね
それと
このスイッチって
楽しいことよりほろ苦いことを
思い出させるみたいなんですね
・・・そう思いません?